
夏に急増!注意したい性感染症
夏といえば、海やフェス、旅行、キャンプなど、心も身体も開放的になる季節ですね。しかしその反面、暑さによる体力の消耗や、人との接触機会の増加により、性感染症(STI)にかかるリスクも高まる季節だと知っていますか?
特に20〜30代の若い世代では、気づかないうちに感染していたり、無症状のまま他人にうつしてしまうケースが増えています。実際、国立感染症研究所の調査では、クラミジア感染症や淋菌感染症の報告件数が、7月〜9月にかけて増加傾向にあることがわかっています。
この時期に流行しやすい性感染症の特徴や予防法、そして誰でもできる検査の方法を知っておくことは、自分と大切な人の健康を守る第一歩ですね。
この記事では、医療機関の情報をもとに、夏に増えやすい性感染症とその背景、予防対策までを詳しく解説していきます。知らずに過ごすのは、実はとても危険かもしれません。
なぜ夏に性感染症が増えるのか?
- 高温多湿で免疫力が低下しやすい
- 汗をかくことで尿量が減少し、尿路からの排菌が減る
- 開放的な気分やイベント増加で性行為の機会が増える
夏は気温と湿度が高くなるため、体力が奪われやすく、免疫力が低下しがちです。その結果、感染症全般への抵抗力が弱まり、性感染症(STI)も含めて感染リスクが高くなります。
さらに、暑さにより汗を多くかくことで、体の水分が失われやすくなります。これに伴い、尿量が減ると尿道内の細菌を洗い流す作用も減少し、尿道炎や膀胱炎などのリスクが高まります。
加えて、夏は旅行やレジャー、合宿、フェスなど、交流機会が多くなり、自然と性的接触の頻度も上がりやすくなります。このような行動変化が性感染症の増加に拍車をかけるのです。
夏に増加する性感染症の種類
性器クラミジア感染症
- 男女ともに感染が多い性感染症
- 特に女性は無症状のまま進行しやすく、不妊の原因になることも
- 性行為(膣・口・肛門)で感染する
性器クラミジア感染症は、日本で最も多い性感染症の一つで、特に10〜20代の若年層での感染が増えています。女性は約70%が無症状とされ、気づかないうちに子宮頸管炎から骨盤内炎症疾患(PID)に進行し、不妊症や子宮外妊娠のリスクを高めます。
男性も無症状のことがありますが、尿道炎の症状(排尿痛、膿)が見られることがあります。クラミジア・トラコマチスという細菌による感染で、コンドームの使用が有効な予防策です。
淋菌感染症(淋病)
- クラミジアより強い炎症を起こす
- 男性は尿道からの膿、女性は子宮頸管炎
- 抗生物質耐性株が増加しており、治療が困難な場合も
淋菌感染症は、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)によって引き起こされる性感染症で、クラミジアと同様に性行為を通じて感染します。特に最近は薬剤耐性菌の出現が問題視されており、治療に難渋するケースも増えています。
淋菌は感染力が高く、1回の性行為で20〜50%が感染すると報告されています(国立感染症研究所調べ)。男女ともに感染部位としては性器、咽頭、直腸が多く、オーラルセックスでも感染の可能性があります。
性器ヘルペス
- 単純ヘルペスウイルス(HSV)によるウイルス感染
- 再発を繰り返す慢性感染症
- 初感染では激しい痛みや水ぶくれが現れる
性器ヘルペスは、HSV-1またはHSV-2によって起こります。初感染時には高熱、リンパ節の腫れ、水疱と激しい痛みを伴う潰瘍が発生し、非常に苦痛を伴います。ウイルスは神経節に潜伏し、ストレスや体調不良、紫外線などの刺激で再発を繰り返します。
再発の頻度は個人差が大きく、数カ月ごとに起こる人もいれば数年に1回という人もいます。感染部位が性器だけでなく口唇や肛門にも及ぶ場合があるため、オーラルセックスによる口からの感染にも注意が必要です。
カンジダ膣炎(女性)、カンジダ性包皮炎(男性)
- 真菌(カビの一種)による感染
- 高温多湿な環境や免疫力の低下で再発しやすい
- 性行為以外にも自然発生的に起こることがある
カンジダはもともと体内に常在している菌で、特に高温多湿となる夏は増殖しやすい環境です。女性ではヨーグルト状の白いおりもの、外陰部の強いかゆみや痛みを伴い、男性でも包皮のかゆみ、発赤、亀頭炎などの症状が見られます。
性行為によって感染することもありますが、免疫力の低下や抗生物質の使用後に起こることも多く、性感染症と必ずしも一致しないのが特徴です。
性感染症の予防法
- コンドームの正しい使用(口・肛門を含む全ての性行為で)
- 性的パートナーとの関係性の見直し、信頼関係の構築
- 定期的な性病検査(特に無症状が多いクラミジア・梅毒)
- 清潔を保ち、通気性の良い下着や衣類を選ぶ
- 水分をしっかりとって尿量を確保する
性感染症の多くは予防可能です。最も有効とされるのは「コンドームの使用」です。特にクラミジアや淋病、梅毒などの細菌性感染症に対しては、正しい使用によって高い予防効果が得られます。
また、性感染症は再感染するケースも多いため、治療後も定期的な検査と、相手との治療の両立が必要です。
自宅でできる性病検査の活用
- GMEやふじメディカルなどの郵送検査キット
- プライバシーに配慮しながら複数項目を一度に検査可能
- 通院不要で気軽に利用できる利点がある
若年層を中心に「忙しくて病院に行けない」「恥ずかしい」といった理由で検査を避ける傾向があります。郵送型の性病検査キットは、匿名で実施できる、複数の項目を一度に調べられる、結果通知もメールや郵送で受け取れるなど利便性に優れています。
特にクラミジアや淋病、HIV、梅毒など主要性感染症の検査が一度にできるセットが人気です。
まとめ
- 夏は「高温多湿」「汗による脱水」「性的活動の増加」により性感染症が増加する
- 特に注意すべき性感染症はクラミジア、淋菌、ヘルペス、カンジダなど
- 無症状の性感染症が多く、検査の遅れが重症化につながる
- コンドームの使用と定期検査が最大の予防策
- 自宅でできる検査キットも活用すべき
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