
トリコモナス症
トリコモナス症とは
トリコモナス症は、腟トリコモナス原虫という微生物が性器内に感染し、炎症を引き起こす性感染症(STD)の一種です。この原虫は肉眼では見えないほど小さく、主に性行為を通じて感染しますが、性行為以外の経路でも感染する可能性があります。
感染経路
- 性行為
主な感染経路であり、感染者との性行為により、男性は尿道や前立腺、精のう、女性は腟や子宮頸管、膀胱、尿道に原虫が寄生します。 - 性行為以外
下着、タオル、便器、浴槽などを介しても感染する可能性があります。そのため、性行為の経験がない女性や幼児でも感染することがあります。
感染経路
トリコモナス症の症状は男女で異なり、無症状の場合も多いです。
- 男性
- 尿道からの分泌物(うみ)
- 軽い排尿痛
- 尿道のかゆみや違和感
- 多くの場合、症状を感じないことが多いとされています。
- 女性
- あわ状で悪臭の強いおりものの増加
- 外陰部や腟の痛み、強いかゆみ
- 下腹部の痛み
- 感染者の20〜50%が症状を感じないとも言われています。
潜伏期間
- 男性:約10日前後
- 女性:5日~14日前後
検査方法
- 男性:初尿や尿道分泌物の採取
- 女性:腟分泌物の採取
- 検査のタイミング:感染の機会から24時間以上経過後に検査可能
治療方法
- 抗原虫薬の内服:5-ニトロイミダゾール系(フラジール)を約10日間服用します。
- 女性の場合:腟錠の使用も行われることがあります。
- 注意点:治療中はアルコールの摂取を避ける必要があります。
予防方法
- コンドームの使用
性行為時に正しく使用することで感染リスクを減らせます。 - 個人用品の共有を避ける
下着やタオルの共有を避けることで、性行為以外の感染リスクを減らせます。 - 生理中の性行為を控える
生理中はトリコモナスが繁殖しやすいため、感染リスクが高まります。
まとめ
トリコモナス症は、腟トリコモナス原虫による性感染症で、主に性行為を通じて感染しますが、性行為以外の接触でも感染する可能性があります。症状は男女で異なり、女性では悪臭を伴うおりものやかゆみ、男性では軽い排尿痛などが見られる場合がありますが、無症状のことも多いです。治療には抗原虫薬が用いられ、適切な治療で完治可能です。感染が疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。性病科や婦人科、泌尿器科で対応しているため、近くの医療機関や専門クリニックにご相談ください。
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