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【症状解説】梅毒

梅毒(ばいどく)は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌が原因で発生する性感染症です。主に性的接触を通じて感染し、適切な治療を受けないと全身に多様な症状を引き起こす可能性があります。また、妊娠中の女性が感染すると、胎児にも影響を及ぼすこともあります。

梅毒とは

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる性感染症です。この細菌はらせん状の形をしており、主に性的接触を通じて人から人へ感染します。梅毒は「The Great Imitator(模倣の名人)」とも呼ばれ、多様な症状を呈するため、他の病気と間違えられることがあります。適切な抗菌薬治療を受けないと、深刻な健康被害をもたらす可能性があります。

原因

梅毒の原因は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌です。この細菌は、皮膚や粘膜から体内に侵入し、数時間でリンパ節に達し、血液を通じて全身に広がります。梅毒トレポネーマは温度や湿度の変化に弱く、体外では数時間で感染性を失います。

感染経路

梅毒は主に以下の経路で感染します。

  • 性的接触
    性器、肛門、口などの粘膜や皮膚が、感染者の病変部位と直接接触することで感染します。オーラルセックスやアナルセックスでも感染のリスクがあります。
  • 母子感染
    妊娠中の女性が梅毒に感染している場合、胎盤を通じて胎児に感染し、先天梅毒を引き起こす可能性があります。これにより、流産、死産、早産、新生児死亡などのリスクが高まります。
  • 稀なケース
    キスや食器の共用、輸血などで感染することもありますが、これらは非常に稀です。

症状

梅毒の症状は、感染からの経過時間に応じて以下の4期に分類されます。

  • 第1期(感染後約3週間)
    感染部位(性器、口、肛門など)に痛みのない小さなしこり(初期硬結)や潰瘍(硬性下疳)が現れます。また、近くのリンパ節が腫れることがあります。これらの症状は治療をしなくても数週間で自然に消失しますが、感染は体内で進行しています。
  • 第2期(感染後約3ヶ月)
    全身に淡い赤色の発疹(バラ疹)が現れます。手のひらや足の裏、体幹部などに出現し、痛みやかゆみはほとんどありません。また、発熱、倦怠感、全身のリンパ節腫脹などの症状が現れることがあります。これらの症状も自然に消失しますが、感染は続いています。
  • 第3期(感染後約3年)
    治療を受けずに放置すると、皮膚や筋肉、骨、内臓などにゴム腫と呼ばれるゴムのような腫瘤が形成され、周囲の組織を破壊することがあります。現在では抗菌薬の普及により、この段階まで進行することは稀です。
  • 第4期(感染後約10年以上)
    さらに放置すると、心血管系や中枢神経系に深刻な障害を引き起こし、心不全や脳卒中、認知機能の低下など、生命を脅かす状態になることがあります。

検査

当院の迅速検査は、イムノクロマト法を採用しております。

イムノクロマト法とは?

検体を滴下することで疾病の有無を見つける抗原・抗体検査法です。

まとめ

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因で引き起こされる性感染症で、主に性的接触によって感染しますが、母子感染のリスクもあります。症状は感染の進行に応じて4期に分類され、早期にはしこりや発疹などの比較的軽い症状ですが、治療をしないまま放置すると全身に深刻な影響を及ぼす可能性があります。診断は血液検査で可能であり、早期の治療がとても大切です。

梅毒の疑いがある症状(しこりや発疹など)が見られる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。

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